昔からニンジン嫌い<br>そんな開発者が「これならお子さんも食べてくれる!」と太鼓判を押したカロテン含有量約1.5倍のおいしいニンジン

昔からニンジン嫌い
そんな開発者が「これならお子さんも食べてくれる!」と太鼓判を押したカロテン含有量約1.5倍のおいしいニンジン

「実はニンジン嫌いなんですよ、昔から」

「オランジェ」の開発者岸田さんはそう打ち明けてくれました。
しかし、「ニンジン嫌い」だからこそ作ることができたおいしさが「オランジェ」には詰まっています。
インタビュー中に何度も「これはおいしいですよ」と繰り返す開発者の喜びと誇らしさに満ちている顔が印象的でした。
(※)カロテン含有量は従来ニンジン(向陽二号)に比べ約1.5倍。

開発者:岸田さん

オランジェへの愛がいっぱい。
多くの人に食べてもらうため、おいしさへのこだわりは絶対!
開発者として、日々、野菜へたくさんの愛情を注ぎます。

「ニンジンはカロテンが豊富で当たり前」
そんな常識のさらに上を目指す

「ニンジンはカロテンが豊富で健康によい、なんていうのはもうみなさんご存知ですからね。そんな中でさらにカロテン含有量の高いものを作る、その必要性はあるのか?なんて疑問を持った人もいるかもしれません」。
開発者の岸田さんはそう振り返ります。そして、「でもね」と話は続きました。

「厚生労働省が提唱している1日の野菜の摂取目標量は350g。実際に摂取されている量はその目標値を大きく下回っているというのが現状です。野菜をもっととっていただくというのも大事ですが、なかなか野菜をたくさんは食べられない生活の中で、野菜の機能性成分をできるだけ多くとっていただけるように努力する。そういうのも大切なんじゃないかと思ったんです」。
「オランジェ」開発の裏には食べる人の健康を思う気持ちと、現状に満足せずさらに上を目指そうという向上心がありました。

岸田さんが機能性成分のほかにこだわったものの一つがおいしさ。ニンジン嫌いの岸田さんだからこそ、「体によいから食べなさい」と言われても食べたがらない子どもの気持ちがわかるようです。
「ほかにどんなにすぐれている点があってもおいしくないものは僕は作りません。喜んで食べてもらえないのでは意味がないんです。ニンジン嫌いな僕でもこれはおいしく食べられる。お子さんも食べてくれる、それが『オランジェ』です」

分析チームの協力なしにはあり得なかった
「オランジェ」の誕生

2003年、国がスタートさせた施策に対して育種が始まった「オランジェ」。もともとは機械でも収穫できる「収穫のしやすさ」が重要課題となっていました。そこでアメリカの「インぺレーター」という硬い品種を交配し、衝撃を受けても割れにくく、収穫の際に機械で葉を引っ張っても葉が切れないニンジンを日本で開発してみようということになったのですが、開発の親にした品種はもともと乾燥地帯向けで日本の湿潤な気候ではうまく育ちませんでした。親品種の特長を備えたまま日本の気候に合うものを生み出すのに苦労したといいます。

開発者がこの苦労を乗り越えると、次に苦労したのは分析チーム。
実はニンジンは「色が濃い=カロテン量が多い」ということは一概には言えず、計測してみるまでは正確なカロテンの含有量がわからないのです。そのため、次々に持ち込まれるニンジンを「次の交配をしたいから早く分析して」と急かされながら行った分析チームの頑張りは並々ならぬものがあったのではないか、と岸田さんはその労をねぎらうように思い返していました。

「従来品種の約1.5倍のカロテン含有量という『オランジェ』は分析チームの頑張りなしには生まれてこなかったんです」。
約10年という歳月をかけて成し遂げられる品種開発。その長い道のりはさまざまな人の協力なくしては歩めません。
特に「ファイトリッチ」は「機能性成分とおいしさ」を兼ね備えた野菜。バランスをとりながら双方の条件を満たしていく、という地道な努力と知識、技術が必要です。

とにかく一度食べてほしい、このおいしさ

岸田さんおすすめの「オランジェ」レシピはスムージー。「オランジェのおいしさがよくわかるし、食物繊維もとってもらえる」というのがおすすめポイントですが、ほかにもおすすめの食べ方はいろいろ。
パリパリした固めの食感が心地よいので、野菜スティックにするのもよし、カロテンは油と一緒にとることで吸収率がアップするのできんぴらやニンジンしりしりにしていただくのもよし。
「一度試していただきたいのは、レンジでチンやアルミホイルで包んでグリルで焼くなど、蒸したり加熱する食べ方。とてもやわらかくなって、『オランジェ』の甘さが引き立ちます」

お子さんにもぜひ食べてほしい、このおいしさなら食べてもらえるはず、そんな開発者の願いが食卓に届きますように。

「ファイトリッチ」の魅力をもっと知ってもらいたい。
そんな思いからそれぞれの野菜の品種開発エピソードをご紹介する「開発秘話シリーズ」。

ほかの野菜にもそれぞれ、開発を行っていく中でのエピソードや、研究者の思いなどがたくさん詰まっています。
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