EPISODE 05

ALLY’S FARM

生産者 徳島県

有近 幸恵さん

人の体は、食べたものでできている。
こだわりがつまった「京くれないEX」を栽培。

徳島県の最南端。広大な山地と太平洋を臨む海陽町で、「京くれないEX」の有機栽培を行うALLY’S FARMさん。人の体は、食べたものでできている。だからこそ、有機肥料のみを使い、農薬は不使用。「BLOF理論(*)」を用い、自分で実験・検証、理論立てていく農法を実践しています。野菜の力を最大限発揮させながら成長を促し育てた「京くれないEX」は、ORGANIC・ECO FESTA 2024のニンジン部門にて優秀賞を受賞。今回は代表の有近幸恵さんに、ファイトリッチとの出会い、「京くれないEX」の魅力、その先にある農業への想いについてお話を聞きました。
(*)BLOF理論:土壌の微生物の力を最大限に引き出し、植物本来の力を活性化させることで、農薬や化学肥料に頼らず、安全でおいしい作物を安定的に生産する栽培方法

毎日ごはんをつくる人が、
ワクワクしながら買えるニンジンを。

ファイトリッチ「京くれないEX」を導入したきっかけはなんでしょうか。

タマネギ、ジャガイモ、ニンジンって、どの家庭でも使われるものですよね。そんな野菜を作りたくて。その中からニンジンを選んだのは、ご近所のニンジン農家さんに教えてもらえる環境だったということと、実際にタマネギ、ジャガイモも作ってみた結果、ニンジンが自分に向いてるなと思ったからです。

同じニンジンでも、毎日ごはんを作るみなさんが少しでもワクワクしながら買えるものが作りたいと思いました。「京くれないEX」はとても鮮やかな赤色で、しかも含まれている機能性成分のリコピンは抗酸化作用がある。カタログで知り、さっそくタネを注文して栽培を始めました。ぜひ置いてもらいたかった東京のオーガニックの青果店「八百屋ジャズ」さんへ持っていったら、「うまい!」と即採用でした。

「和食にもよくあう」と、
幅広い年齢のお客さまに好評。

「京くれないEX」を育てるやりがいや難しさとは。

「京くれないEX」は特に葉の管理が難しいですね。必要以上に葉が伸びてしまったり、農薬を使っていないので葉に虫が来てしまったり。タキイ種苗さんとも相談しながら、いろいろ解決策を試行錯誤しています。「京くれないEX」は、金時人参のようで「和食にもよく合う」と高齢の方がよく手にとってくださるんです。どうしても値段で選ばれてしまうことが多い中で、幅広い年齢層に食べてもらっていることを感じる瞬間が、「京くれないEX」を育てるやりがいですね。

ニンジンからリコピンが摂れる。
そしてやっぱり、おいしいのが魅力。

青果としての「京くれない」の魅力は何でしょうか。

なんといっても、ニンジンからリコピンが摂れることがすごいなと思っていて。あとはやっぱりおいしいことですね。少し前に、海陽町に移住してきたご家族の1歳半のお子さんに「このニンジン、お父さんお母さんにごはん作ってもらってね」って渡したら、そのままかじって1本まるごと食べちゃったんです(笑)子どもって正直だから、おいしくなかったら食べなかったと思うんですね。それからこのご家族は、うちのニンジンしか食べたくないっておっしゃってくださって。うれしかったです。京くれないすごい!って思いました(笑)

ワクワクしちゃうニンジンで、
すべての子どもたちを笑顔にしたい。

「京くれない」を通じて今後やってみたいことは。

「京くれない」に特化したことを言うと、オレンジ色っぽくなることがあるんですね。そこをもう少し鮮やかな赤にならないかと、いろいろ原因や対策を考えているところです。そういった課題を天候のせいにするのは簡単。でも同じ天候の日なんて一度たりともないし、考えて、考えて、考え抜いたら、きっと答えが見えてくると思っています。

少し先の私の夢は、シングルマザーの常時雇用をすること。仕事も子育てもしているシングルマザーって本当に大変で、それは私が身をもって実感していて。そんな人たちが食べるのに困らずに仕事ができる環境を作りたいんです。そしてさらにその先の目標は、すべての子どもたちが笑顔でいられるような日本にすること。おいしいものを食べると人は幸せになり、幸せな人が増えると子どもたちが笑顔でいられるようになる。そんな未来を実現するために、今日も明日も「京くれない」を作り続けたいと思います。