EPISODE 07

(左:東急ストア 岩崎さん/右:株式会社和郷 大城さん)

株式会社 東急ストア
株式会社 和郷

販売店 流通
東京都 千葉県

岩崎将匡さん、大城ケビンさん

ファイトリッチの魅力を食卓へ。
東急ストアと和郷が語る
「選ばれる理由」と「伝える工夫」。

「おいしさ」に「健康」という価値をプラスしたタキイ種苗の機能性野菜ブランド「ファイトリッチ」。その魅力は、生産者の情熱によって育まれるだけでなく、流通の場におけるさまざまな取り組みを通して消費者の食卓に届けられます。今回は、東京・神奈川を中心に展開するスーパーマーケット「東急ストア」の中目黒本店でデリカ食品部門を担当する岩崎さんと、野菜の卸売・加工を手掛ける「株式会社 和郷」の大城さんに、ファイトリッチの取り扱いにおける工夫や可能性についてお話を伺いました。

出会いは「色味のよさ」。
温惣菜部門から米飯部門へ広がるファイトリッチ。

まず、ファイトリッチを取り扱うことになったきっかけを教えていただけますか?

大城さん(和郷): 元々は、2023年に東急ストア様の温惣菜部門でニンジン「京くれない」を使ったかき揚げを1週間限定でスポット販売したのが始まりです。その際、リコピン由来の鮮やかな色がお客様の目を引き、手に取っていただきやすいのではと考えました。実際に販売実績も好調だったことから、翌年には米飯部門へも展開し、部門間で連携して商品を展開する流れができました。

岩崎さん(東急ストア): 当社では毎月、生産者様と旬をテーマにした商品開発を行っており、和郷さんからは常に魅力的な野菜をご提案いただいています。「京くれない」についても、その鮮やかな色味とストーリー性に魅力を感じ、まずは温惣菜のかき揚げに使用しました。その好評を受け、丼もの(米飯)への展開を決定しました。デリカ部門全体として、お客様に新しい価値を提供するため、部門間で連携し、足並みを揃えていくことを意識しています。

「見た目」と「ストーリー」を武器に。
店頭での工夫と課題。

実際に店頭で販売するうえで、どのような点を工夫されていますか。

岩崎さん(東急ストア): やはり「色味」は重要ですね。「京くれない」の丼では、当初タレに混ぜ込んでいたニンジンを、最後に上に散らすオペレーションに変更し、鮮やかな赤色がしっかり見えるように工夫しました。機能性野菜は、第一印象として見た目の魅力でお客様の興味を引きつけることが大切だと考えています。

大城さん(和郷): 私たちからは、生産者情報にアクセスできるQRコード付きの販促シールを提供しています。アクセスしてくださるお客様はいらっしゃるのですが、シールのサイズが小さいことや、スマホで読み取るひと手間がある点が課題です。今後はPOPなども活用し、より積極的にお客様に情報を伝えていく工夫が必要だと感じています。

岩崎さん(東急ストア): 商品名に「京くれない」と入れるだけでも反応はありますが、「リコピン約〇倍!」といった具体的な数値を分かりやすく表示できれば、さらに効果は高まるかもしれませんね。ただ、味が伴わなければリピートにはつながりません。見た目の魅力で手に取っていただき、味で満足していただくことが重要です。

機能性だけじゃない。
生産者の想いを届ける価値。

ファイトリッチを取り扱う中で、どのような価値を感じていますか。

岩崎さん(東急ストア):生産者様の顔が見える、ストーリー性がある点は大きな魅力です。和郷さんのようなパートナー企業様からいただく情報、例えば栽培方法へのこだわりなどを商品開発に生かすことで、私たちも自信を持ってお客様におすすめできます。当社としては、特定の企業様に限らず、さまざまなパートナー様からのご提案を積極的に受け入れ、それぞれの強みを生かしながら、お客様にとってよりよい商品をお届けすることを目指しています。旬を逃さないスピード感も大切にしながら、生産者様やパートナー企業様と連携して商品をお届けできることに価値を感じています。

大城さん(和郷):機能性野菜は、栽培に手間やコストがかかるため、安定供給が難しい面もあります。だからこそ、安定的に「京くれない」などを栽培されている生産者様の存在は貴重です。東急ストア様のように健康志向のお客様が多い店舗では、こうした付加価値のある野菜への関心は高く、私たちの提案もしやすいですね。

流通の視点から見て、ファイトリッチの可能性とは。

大城さん(和郷):健康志向の高まりはもちろんですが、最近は「罪悪感なくおいしいものを食べたい」というニーズも感じています。例えば、飲み会が続いた後に「ファイトリッチの野菜を使ったお弁当ならヘルシーかも」と思っていただけるような、若い世代へのアプローチも可能性があると考えています。

岩崎さん(東急ストア):ご飯に合う野菜、というのは大きな強みですね。今後も和郷さんをはじめとするパートナー企業様と連携し、ファイトリッチシリーズの持つ機能性やストーリー性を活かした魅力的な商品を開発し、お客様にお届けしていきたいです。


取材を終えて

生産者の想いが詰まったファイトリッチが、卸売・加工会社である和郷様の提案力と、パートナー企業との連携を重視する東急ストア様の販売戦略によって、着実に消費者の皆様のもとへ届けられていることが分かりました。色味の美しさ、機能性、そして生産者のストーリー。これらの魅力を最大限に生かし、さらに多くの食卓へ届けるための工夫はこれからも続きます。機能性野菜「ファイトリッチ」が、日々の食事をより豊かに、健やかに彩る存在として、今後ますます注目されることを期待しています。