BEHIND THE
DEVELOPMENT
ファイトリッチ開発秘話
美しいルビー色の輝きをもち
アントシアニンを豊富に含むタマネギ「ケルたまルビー」
控えめで穏やかな語り口の底に真摯な情熱とこだわりを秘めたタマネギ一筋の開発者鈴木さん。
そんな鈴木さんに「こんなタマネギを生み出せたこと、ちょっと自慢に思っているんです」と言わしめた「ケルたまルビー」。
宝石のルビーを思わせる濃い赤紫色は機能性成分「アントシアニン」によるもので、その含有量はなんと従来の赤タマネギの約5倍!
その色の美しさに開発者自身も驚いたという「ケルたまルビー」開発秘話をご紹介します。

開発者:鈴木さん
タマネギの品種開発一筋。
静かな情熱をタマネギに注ぎ、「ファイトリッチ」品種を含むタマネギの品種開発を手がける。

タマネギにはもっと可能性がある!
アメリカ駐在で得た気づき
4年間にわたるアメリカ駐在経験のある鈴木さん。
アメリカの食生活になじみ始めたころ、あることに気づきます。
それは「赤タマネギ」の存在感。日本では脇役といった印象の赤タマネギですがアメリカではサンドイッチやサラダの具材として広く親しまれています。
「色が美しく、生で食べておいしい。赤タマネギの存在をもっとアピールして日本でも需要を喚起していきたい」。
鈴木さんの中にそんな想いが芽生えました。
日本では用途に応じてタマネギの品種を使い分ける、という意識が薄く「タマネギ」はどれも「タマネギ」。一つのタマネギでサラダにも、煮込み料理にもなんにでもオールマイティーに使われます。
しかし、タマネギの品種それぞれの特徴を知って使い分けてもらうことができれば、さらなるおいしさに出会ってもらえるのではないか。
タマネギの新たな使い方、おいしさ、その可能性を知ってもらいたい。
こうして10年がかりとなる品種開発がスタートしました。

食べてくれる人への想いが詰まったタマネギ
「種苗会社に勤めていますから、まず産地で作ってくださる生産者の方が作りやすいものを、というのはあるんです。でも、この『ケルたまルビー』は食べてくれる人にタマネギの魅力をもっと知ってもらいたいという気持ちが大きくて。食べたときにおいしくて、さらに体にもよい、それを大切にして品種開発したんです」。
トマトなどとは異なり、品種やブランドで選ばれることがあまりないタマネギ。選ばれるタマネギにするためにその色にも相当こだわりました。
日本での需要がそれほどない赤タマネギですが、「ケルたまルビー」が世に出る前からすでにいくつか赤タマネギの品種は存在していました。

「赤タマネギの品種には、外側は赤くなっていても収穫時には内側まで色が入っていないものもあるんです。貯蔵しているうちにだんだん、内側も赤くなっていくんですね。『ケルたまルビー』は収穫時から内側までしっかり色が入っている、という点にこだわりました」。
採れたてのものを購入しても内側まで美しい赤色、というのは購入者には嬉しいことですが、このこだわりを実現するためには大変な労力を要しました。
内側まで赤くなっているかどうかを確認するために、収穫するたびにいくつものタマネギを切断しなければならず、完成までいくつのタマネギを切ったのかわからないほどだとか。
しかも、色の美しさとおいしさも両立しなければいけません。サラダやサンドイッチの具材として生で食べておいしい、というのが赤タマネギ。辛みや苦みなどがないか、生で食べておいしいか、しっかり味も確認します。
こうしたこだわりが実を結んだ「ケルたまルビー」は内側までしっかり赤く、タマネギ特有の辛みが少なく、甘みが強い品種となりました。

開発者が語る「ケルたまルビー」の魅力
赤タマネギの魅力を日本中に、さらに世界へと
「5月中下旬には収穫できる中早生品種であるため、冷たいものが食べたくなる季節にちょうど旬を迎えます。初夏のピクニックにもっていきたいサンドイッチや、サラダ、冷製パスタでも味わっていただきたい甘みが『ケルたまルビー』の特長。そしてなんといっても濃い赤紫色を目でも味わっていただきたいと思います。ほかの野菜にはなかなかない、この色がお皿の上にあるだけでなんだかおしゃれな雰囲気になるんです」
「ルビー」という名前に恥じない色は機能性成分「アントシアニン」によるもの。これまでに開発した従来種の赤タマネギ(猩々赤)に比べ、約5倍ものアントシアニンを含んでいます。

社内のイベントでサラダとして提供した際には、その鮮やかな色が大きな注目を集めました。「きっちりこだわれば、しっかり結果が出る」――鈴木さんは「ケルたまルビー」の美しい赤紫色を目にするたび、そう改めて実感するそうです。
インバウンド需要の高まりとともに、赤タマネギへの注目は確実に増しています 。「ケルたまルビー」のもつ、この色の鮮やかさと豊富なアントシアニン含有量を最大限にアピールし、赤タマネギの新たな魅力を日本中に、そして世界へと広めていきたいと考えています 。
「ファイトリッチ」の魅力をもっと知ってもらいたい。
そんな思いからそれぞれの野菜の品種開発エピソードをご紹介する「開発秘話シリーズ」。
ほかの野菜にもそれぞれ、開発を行っていく中でのエピソードや、研究者の思いなどがたくさん詰まっています。
色々な野菜の「開発秘話」をぜひチェックしてみてください!
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